

オリジナルブランド"sahara"より、ベロアの転写ワンピース・Print Velour Dress が登場。ビデオディレクター・tommy.arakaki氏がデザインを施しました。
ベロア特有の奥行きと3Dソフトで制作されたグラフィックが相まった美しい一着。今回のアイテムのために制作されたプロモーションビデオの背景から、今回のコラボレーションに至った経緯などをお伺いしました。
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tommy.arakaki
1999年5月14日生まれ。2022年より映像制作を開始し、現在はライブ映像・舞台映像・PV・VJ等幅広い分野での映像制作に関わる。2023年 "adobeMAX challenge モーション部門" 準グランプリ受賞。
MARTE Interviewer(以下略):tommy.arakakiさんの経歴を教えてください。
tommy.arakakiさん(以下敬称略):元々工場で働きながらDJをしていました。DJとして参加したイベントで出会ったVJ※1が格好良くて、そこからメディアアートに興味が出てきました。
WEBデザインやコーディングを独学で学び、デザインの延長線で3Dで動画を制作するソフトをいじるようになりまして。その作ったものをうちの兄(現ビデオディレクター)に見せたことをきっかけに、兄の仕事を少しずつ手伝うことが増えました。そこから兄の職場で働きながら知識や経験を身につけ、今に至ります。
普段は舞台の映像やミュージックビデオの作成、企業のプロモーションビデオの作成などを行っています。3Dだけではなくモーショングラフィックなど総合的に映像を作成しています。
※1 VJ…DJが選曲した音楽に合わせて映像を流し空間を演出する人のこと。
M:saharaとのコラボレーションに至った経緯を教えてください。
tommy.:去年、saharaのプロモーションビデオの作成依頼がありました。皆様にも好評だったようで、その流れで今回は服のテキスタイルの作成を仁美さん(saharaデザイナー)からご依頼いただき、今回コラボレーションという形が実現しました。
saharaでも3Dの動画をPRとして利用するのは初めてだったようで、その3Dでの表現が新鮮に映ったとおっしゃっていました。
写真:tommy.arakaki氏によるsahara24ssのプロモーションビデオの一部
M:去年、メッシュブーツやサンダルを製作した時ですね。今までPRする時はモデルを起用したり実写的な動画コンテンツが多かったので、お客様の目にも新鮮なプロモーションビデオとして映ったと思います。
tommy.:確かに前回も今回も、写実的な要素はなく、完全にCGで動画を作成しましたね。前回初めてプローモーションビデオを制作する際にsaharaのイメージを伺った時に、”地球ではない他の惑星”という印象が強かったので、日本には無いような造形や普通の自然現象ではできないようなものや古代遺跡がイメージです。リミナルスペース※1の概念を意識してsaharaの動画は制作しています。
※1 リミナルスペース…誰もいない空間、人の肌の温度を感じない、など時間が止まっているような寂しさやノスタルジーを帯びた空間を表す。人によっては不安や孤独を感じ不穏と捉える人もいれば、静けさや想像の余地に心地よさや創造性を見いだせる空間。インターネットから生まれた概念。
写真:左からDay、Sunset、Night
tommy.:今回のコラボレーションでは、仁美さんから「”ある背景”の朝から夜までの時間経過を服で表し 服自体にストーリー性が欲しい。」と詳細をいただいていたので、まずは3Dで ”ある背景”の作成をしました。
今回もリミナルスペースの概念を元に制作しています。昔は誰か居たかもしれない、けど今は人の肌の温度を感じない。そんな空間をイメージしています。無機質な壁、広いプール、光る玉や三角のオブジェクトの配置など、一つのテキスタイルの作成でしたが、まずは3Dで全体の空間を作成しています。どこか異国間のある、地球とは違う惑星を彷彿とさせる空間を制作しました。
3柄とも同じ空間であり、同じ視線からの景色を映しています。
写真:今回制作したプロモーションビデオの一部
M:テキスタイルはその空間の一部ということですね。今目の前に存在するテキスタイルのアングルを変えると、横や後ろにまた違う景色がある…。不思議な感覚です。
tommy.:テキスタイルに入らなかった部分は動画に入れていますので是非チェックしてみてください。今回は音楽も一から作成しています。
切り取った位置と時間帯がそれぞれ違うので別々のアイテムに見えるのも気に入っています。saharaのお客様の好みも生かすために、切り取る位置や色味は仁美さんが細かく修正しています。
tommy.: 制作した3Dが服になる経験は初めてでしたので、難しい部分はたくさんありました。一枚絵で見た時は綺麗だけど、実際に服になったらどうなるのか、試行錯誤を繰り返しました。光る玉や三角のオブジェクトを新しく追加して写り映えを意識してみたり。
M:光る玉が太陽や月で、プールが海のように、全く知らない人からすると、テキスタイルがちゃんと景色に見えます。
tommy.:よかったです。「Night」は元々紫味が強かったのですが、着やすいようにブラックを強めに出したところ、実物は思っていた何十倍も格好良く出来上がって嬉しかったですね。
YouTube Max Cooper - Repetition (Official Video By Kevin McGloughlin)
M:tommy.さんの作品のインスピレーション源を教えてください。
tommy.:音楽がやっぱり好きなので、国内外問わず、常に色々なアーティストのミュージックビデオを見ています。特にMax Cooperの「Repetition」はお守りのように見ています。(笑) ハウスやテクノミュージックを中心に活動しているアーティストなのですが、この方の音楽や映像が大好きで。ことあるごとに作品をチェックしています。
あと、ゲームの世界からもインスピレーションを受けることもあります。多方面から自分の引き出しを少しずつ増やし、仕事へと繋げている感覚です。
M:最後に、今回のコラボレーション、いかがでしたか?
tommy.:正直最初はよく出来上がるのか不安だったのですが、saharaチームのおかげもあって、良いものが出来上がって大満足です。
リミナルスペースの概念を採用していますが無機質になりすぎないように、寂しくならないように工夫しています。長い期間かけて作ったので出来上がったワンピースを見た時は感動しましたね…。
つるつるのポリエステルではなくでとろみのあるベロア生地なので奥行きもあって。遠くから見ても立体的に見えて最高です!とても良い時間でした。
saharaでは珍しい3Dグラフィックから生まれたPrint Velour Dress。
ブランド感の溢れる異国情緒の世界観をtommy.arakaki氏が大胆に落とし込み完成しました。
7月30日(水)より販売開始となります。
sahara × tommy.arakaki
Print Velour Dress
架空の砂漠に佇む、時代に忘れられた神殿を舞台に、差し込む光と影・移ろう時間の色彩を切り取り、時の流れを3種類の柄に落とし込みました。
Day...朝日が降り注ぐ情景
Sunset...日が沈む黄昏時
Night...月夜に照らされた夜景
全面に広がる幻想的な3Dの風景と、柔らかく滑らかなベロア素材が生む豊かな表情。印象的でありながらもシンプルなフォルムと調和し、日常に自然と溶け込みます。
近未来的でありながら、どこか懐かしさを感じさせる佇まい。
すっきりとしたIラインシルエットで、一枚ではもちろんレイヤードスタイルも楽しめます。
是非ご覧くださいませ。
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Guest:tommy.arakaki
Text:Furihata Yurika
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